【行政書士解説】相続するものがほとんどない それでも相続手続きが必要なの?

執筆者 森俊介

行政書士森俊介事務所 代表行政書士 

『相談者に寄り添う相続とすること』がモットー。触れた相談事例は2000件以上。相続を取り扱う司法書士・税理士・弁護士と連携しワンストップサービスを築く。各地でセミナー相談会を実施中。Youtube・Twitterでも相続・遺言情報を発信している。


「亡くなられた方に相続財産がほとんどない、こんな場合でも相続手続きが必要なの?」

 結論からいうとこのような場合も相続手続きが必要ですので、その理由を詳述します。

 亡くなられた方の預貯金口座・残高自体がわからない場合は、次の動画をご覧ください。

 

1、遺産が現預貯金のみで金額もほどんどない場合

簡易手続きできることがある


 亡くなられた方の遺産が現金、預貯金のみでその額が少ない場合、手続きをすること自体面倒に感じるでしょう。

 
現預貯金が数万円程度でしたら、金融機関によっては、相続人1人が窓口にいくことで解約できることもあります。

 相続人全員の同意なしに解約できるため、
簡易手続き呼ばれます。

 
もっとも、簡易手続きによる場合でも、他の相続人に異議を唱えられると紛争となりますので、他の相続人に必ず確認し同意を得ておきましょう。

他の預貯金がないか確認する


 1つの金融機関に数万円の預貯金があり、それが遺産の全てと相続人が考えていたとしても、他に思わぬ大金を有している可能性があります。

 
例えば、その金融機関で貸金庫を借りていた場合、その中に現金・定期預金証書等が入っている可能性もあります。

 貸金庫がある場合は必ず開扉して内容物を確認しましょう。

 
同じ金融機関の他支店に口座があったり、最寄りの銀行に定期預金口座をつくっていたりすることもあります。

 
少額で時間・手数料かけて引き出すほどのものでなければ、「調べなくても良いのではないか」と思いがちですが、数百万円の預貯金がある可能性もあるので、心当たりのある金融機関には問い合わせてみましょう。
 

株等他の金融資産がないか確認する


 亡くなられた方が、現預貯金以外に他の金融資産を有している場合があります。

 
「現預貯金以外に金融資産なんてあるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は様々な種類の金融資産があります。以下の通りです。

 
・株式(非上場株を含む)

 
・投資信託

 
・出資金

 ・国債

 
・骨董品

 
・金(きん)

 
・ゴルフ会員権

 
・リゾートホテル会員権

 
・仮想通貨

 
等々

 
この他にも、誰かにお金を貸していると、そのお金を請求する権利も遺産となります。

 
以上はあくまで例ですので、相続財産か否か迷った場合は、専門家に相談してから判断するようにしましょう。

借金がないかも確認する


 「借金があるかもしれない」と感じており、他に相続したい財産がなく、亡くなられた方の物を取得するつもりがなければ、念のため相続放棄しておくという手もあります。

 家庭裁判所への相続放棄の申述は、相続開始を知ってから3か月以内
に行わなければなりません。

 
相続放棄の申述が家庭裁判所にて受理され放棄が確定すると、相続権を失いマイナス財産も相続しなくて済みます。

 ただし、相続放棄するとプラスの財産も相続すること
できません。

 1度相続放棄してしまうと撤回することができないので注意が必要です。

2、所有している不動産の評価額が小さい場合

田畑でも借地権でも相続は必要


 亡くなられた方が賃貸ではなく、持ち家で生活している場合、その持ち家は相続財産となります。

 また、
借地権含め賃借権自体も相続の対象となります。

 
田舎の田畑等、仮に不動産の評価額が小さくても相続登記はする必要があります

 
亡くなられた方の名義のまま置いておくと、相続人の数が膨れ上がり名義変更が困難となるためです。

 加えて、2024年4月より相続登記自体が義務化され、放置された
まだと罰金が課されることもあります。

他に不動産を所有していないか確認する


 亡くなられた方が有している不動産については、「名寄帳」という書類に記載されてます。

 各市区町村役場にて取り寄せましょう。

 
ただし、「名寄帳」は当該市区町村管轄地域の不動産情報しか記載されていないので、他の市区町村に不動産を所有している場合権利証や登記簿謄本等の不動産に関する書類を読んで、あたりをつけて「名寄帳」を取り寄せる必要があります。

 
登記自体されていない不動産であっても相続財産となります。

 不動産についての判断に
迷われたら専門家に相談してみましょう。

3、まとめ


 以上の通り、相続するものがほとんどない、と考えていても必要な手続きというのはたくさんあります。

 
また、手続きの前提となる財産調査も、各金融機関や市区町村への問い合わせ、書類取り寄せ等手間がかかります。

 
財産に漏れがないよう隅々まで財産調査する必要があるので、相続手続きは専門家に依頼することをオススメします。
 

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