◆ 【遺言専門解説】遺言書には何でも書けるの?その疑問にお答えします

執筆者 森俊介

行政書士森俊介事務所 代表行政書士 

『相談者に寄り添う相続とすること』がモットー。触れた相談事例は2000件以上。相続を取り扱う司法書士・税理士・弁護士と連携しワンストップサービスを築く。各地でセミナー相談会を実施中。Youtube・Twitterでも相続・遺言情報を発信している。


 遺言書は、亡くなられた方の財産の承継について書かれたものです。遺言書に書いたもののうち、法的効力を有する事項については遺言事項といい、これは法定されています。

 
この遺言事項以外のことを遺言書に書いても、法的効力を有せず意味がないことになります。

 
そこで、遺言事項について、以下解説いたします。
 

1、主要な遺言事項


 主要な遺言事項については3つあり、遺言書の制度趣旨より導かれます。

 
遺言書の制度趣旨は、遺言者の最終意思の尊重です。

 
そのため、主要な遺言事項として、①遺産の分け方が挙げられます。

 
また、遺言者は自身の推定相続人の地位についても意思を示すことがあります。

 これが、
②相続人の地位に関する事項です。

 
そして、遺言書の内容の実現を担保するため、③遺言執行に関する事項も挙げられます。

 
以下、それぞれにつき説明いたします。

2、遺産の分け方を書く

特定の相続人に特定の財産を相続させる


 遺言者が、遺言書の想いを実現するのに最も適した方法ではないでしょうか。

 
「自分の居住している不動産を同居している長男に相続させる」、「介護してくれた長男の嫁に200万円を遺贈する」といったものです。

 
ただし、特定の財産の承継ばかりに目が行きすぎて、各相続人の受け取る財産額をおざなりにしないよう注意する必要があります。

 
各相続人の受け取る財産額が遺留分を下回る場合、遺留分侵害額請求がなされ紛争になる可能性があります。

特定の割合で遺産を相続させる


 遺言者としては、特定の財産を誰かに渡したいという気持ちはないが、総財産の何割かを誰かにあげたいといった意思がある場合です。

 
例えば、「自分の全ての財産を妻に相続させる」、「自分の全ての財産の 3/5 を妻に、1/5 を長女に、1/5 を次女に相続させる」といったものです。

 
ただし、財産が預貯金のみでなく車、不動産、株等がある場合、誰がどの財産を取得すれば記載された割合に沿った相続が実現できるか、相続人間で協議して決める必要があります。

3、相続人の地位に関することを書く

非嫡出子の認知


 非嫡出子とは、結婚をしていない男女の間に生まれた子供のことで、出生の際、母親が出生届を出し、子供は母親の戸籍に入ることになります。

 
そして、父親がその子供を認知すれば、結婚している男女の間に生まれた子供である嫡出子と同様に、非嫡出子も相続権を有することになります。

 
自分の死後に非嫡出子にも相続させたいと思うとき、遺言で認知をして遺産を相続させることができるのです。

 
遺言による認知は、遺言執行者しか行うことができないものです。

 仮に、遺言書に子の認知の記載があるのに遺言執行者の指定が記載されていないならば、家庭裁判所に遺言執行者選任の申し立てを行うこととなります。

推定相続人の廃除


 廃除とは、推定相続人が自分に対する虐待や重大な侮辱や著しい非行があった際、遺言等でその者の相続権を奪うことです。

 生前に家庭裁判所に申し立てても行えますし、遺言によっても行えます。

 
遺言による廃除も、遺言による子の認知同様、遺言執行者しか手続きを行うことができないものです。

 遺言による廃除の記載があるのに遺言執行者の指定が記載されていないならば、家庭裁判所に遺言執行者選任の申し立てを行うこととなります。

4、遺言執行に関することを書く


 遺言者は、自分が死亡した後、遺言の内容が実現されたかを見届けることができません。遺言者としては、本当に自分の想いが実現されるのか不安に感じるものです。

 
そこで、遺言者は、遺言の内容を実現する責任者として「遺言執行者」を遺言書の中で指定することができます。

 
遺言執行者は、遺言を執行するために必要な処分を行うことができ、相続人もその遺言の執行を妨げることはできないとされています。

 
このように、遺言者の遺志を貫徹するために重要な役割を果たす遺言執行者ですが、遺言において遺言執行者を指定していない場合もあります。

 この場合、家庭裁判所は、申立てにより、遺言執行者を選任することができます。

 遺言執行者は、必ず決めなければならないものではありません。

 遺言執行者がいれば、
手続きの全てを遺言執行者のみで行うことができますが、遺言執行者がいない場合、財産を受け取る人がそれぞれ行わなければなりません。

5、意外と知られていない、遺言書に書けば効力が生じるもの


 遺言書は、上記の他にも以下のような記載も効力が生じます。

 
・負担付き遺贈

 
・特別受益の持ち戻し免除

 
・最大5年間の遺産分割の禁止

 
・祭祀承継者の指定

 
・配偶者居住権の遺贈

 
・生命保険の受取人変更

 
これらを記載し相続開始後効力を発生させることも可能です。

 
これらの中には、大きなリスクを伴うものもあるので、記載する際は慎重に判断しましょう。

6、まとめ


 いかがでしたでしょうか?「記載して効力が生じる事項は思ったより少ないな・・」と思われた方もいれば、「こんなことも書けるのか・・」と思われた方もいるかと思います。

 
自分1人で遺言記載の可否を判断するのは危険ですので、専門家に相談・依頼することをオススメします。
 

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