【遺言専門解説】遺言書で年上の配偶者に全財産を相続させる際の注意点を解説します


 「配偶者に全財産を相続させる」旨の遺言書作成において、その配偶者が遺言者より年上の場合、いくつか考慮しておくべき点があります。

 本稿では、相続関係図付きの具体例を示しながら、遺言書で年上の配偶者に全財産を相続させる際の注意点について解説いたします。

 動画解説もぜひご覧ください。

 

 目次 

1、遺言書で配偶者に全財産を相続させる事例 

 ・相続関係図付きの具体例

 ・遺言書の夫が8歳年上である点に注意

2、遺言書の内容についての提案

 ・希望通りの記載内容の場合

 ・予備的文言をいれるという方法

 ・負担付き相続にする方法

、まとめ

 ・遺言書で年上の配偶者に全財産を相続させる際の注意点について

 ・当事務所のような相続専門家への相談がオススメです

1、遺言書で配偶者に全財産を相続させる事例

相続関係図付きの具体例

相続関係(説明)図


 上の相続関係図のような事例を想定してみましょう。

 ちなみに、相続関係図とは、相続関係説明図ともいい、本来亡くなった人(被相続人)とその相続人の関係が一覧になってまとまっている表のことをいいます。

 
もっとも、遺言者の遺言作成時点では、相続人は推定相続人となります。

 
遺言者である山田花々子は、昭和28年1月1日生まれですので、2024年2月9日現在時点で71歳です。

 
その夫である山田太々郎は、昭和20年1月1日生まれの79歳です。

 
長男の山田一男が41歳、二男の山田二男が39歳、長女の山田和子が33歳です。

 
よって、遺言者の推定相続人は、夫、長男、二男、長女の4名ですね。
 

遺言者の夫が8歳歳上である点に注意


 遺言者の夫が遺言者より8歳年上のため、遺言者より先に死亡したり認知症になることは十分考えられます。

 
特に、平均寿命だけでいえば男性の方が低いわけですので、先に亡くなる可能性は低くないです。

 
このような状況で、遺言者は遺言書で配偶者に全財産を相続させることを決意しました。
 

2、遺言書の内容についての提案

希望通りの記載内容の場合


 遺言者である山田花々子の希望に沿った場合、

  「遺言者は、遺言者に属する一切の財産を夫 山田太々郎(昭和20年1月1日生)に相続させる」

 
という旨の財産についての記載内容になります。


 しかし、この記載内容のみだと、夫が先に死亡した場合には遺言書は無効になってしまいます。

 また、夫が認知症になっており判断能力が著しく欠けている場合、基本的に成年後見人によらなければ遺産を取得できません。

 

予備的文言をいれるという方法


 そこで、先に夫が死亡した場合に備えて、予備的文言を入れて予備的遺言にするという方法があります。

 
例えば、

 「1条 遺言者は、遺言者に属する一切の財産を夫 山田太々郎(昭和20年1月1日生)に相続させる」

 という文言があります。

 
それに続けて、

 「2条 遺言者より前に又は遺言者と同時に夫 山田太々郎(昭和20年1月1日生)が死亡していた場合、遺言者は前条記載の財産を長男 山田一男(昭和58年2月2日生)に相続させる」

 という文言を加えます。

 
このような記載内容にすることで、先に夫が死亡した場合であっても遺言書は無効にならず、遺言者の予備的な希望を実現することができます。
 

負担付き相続にする方法


 次に、夫が相続開始時に認知症になっており判断能力が著しく欠けている場合に備えて、子供に相続させるという方法です。

 
もっとも、遺言者としては、自分の死後の夫の生活が心配でしょう。

 
よって、子供に財産を相続させる負担として、夫の生活をみるという義務を課すという手があります。

 
例えば、

 「1条 遺言者は、遺言者に属する一切の財産を長男 山田一男(昭和58年2月2日生)に相続させる」

 という文言にします。

 
それに続けて、

 「第2条 長男 山田一男は、前条の相続をする負担として、遺言者の夫である山田太々郎(昭和20年1月 1日)の生存中、必要な生活費を支出するととも に、身の回りの面倒をみなければならない。」

 という文言を加えます。

 
このような記載内容にすることで、夫が相続開始時に認知症になっており判断能力が著しく欠けている場合であっても、遺産は長男が取得し夫の生活もその取得における義務とすることができます。
 

3、まとめ

遺言書で年上の配偶者に全財産を相続させる際の注意点について


 以上の通り、遺言書で年上の配偶者に全財産を相続させる際、その配偶者が相続開始時に認知症になっていたり亡くなっていたりすることを想定する必要があります。

 
そのため、その点も考慮して遺言書の記載内容を考えると良いでしょう。

 
自身の「配偶者に全財産を相続させる」という希望だけを記載内容にすると、上記のケースに対応できなくなることもあるので、注意しましょう。
 

当事務所のような相続専門家への相談がオススメです


 このように、一見簡単そうな遺言書の作成でも、想定すべきケース等多くの注意点・留意点があります。

 遺言書の作成については、経験豊富な専門家の意見を聞きながら進めた方が確実といえるでしょう。

 当事務所のような相続専門家にまず相談することをオススメいたします。

 

執筆者 森俊介

行政書士森俊介事務所 代表行政書士 

『相談者に寄り添う相続とすること』がモットー。触れた相談事例は2000件以上。相続を取り扱う司法書士・税理士・弁護士と連携しワンストップサービスを築く。各地でセミナー相談会を実施中。Youtube・Twitterでも相続・遺言情報を発信している。

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