市役所では、定期的にもしくは無料イベントとして、法にかかわる無料相談を行うことがあります。

　相談員として、行政書士が参加するときは管轄の行政書士会が、司法書士が参加するときは管轄の司法書士会が、弁護士が参加するときは管轄の弁護士会が行います。

　規模が大きい相談会ですと、事前予約をし時間制限も厳格にされることが多いです。

　時間は約３０分間というケースが多いです。
 

　市役所の無料相談会においては、そこに参加する相談員は国家資格者となります。

　「士業に法にかかわる相談をするのだから資格者であることは当然ではないか」と思われるかもしれません。

　しかし、大きい規模の法人ですと、その従業員全員が資格者である必要はなく、お客様相談をされる方が無資格者であることも少なくないのです。

　この点、市役所の無料相談会は、各種士業の会と共同開催することが通常ですので、無資格者が相談員として派遣されることはまずありません。

　市が主催している以上、相談者に対し、「後日当事務所でもお話しませんか？連絡先交換お願いします。」とか、「無料特典を受けるために住所・氏名必ず記入してください」とか言われることはありません。

　相談に行く方としては、数万円、数十万円以上する契約に結び付くことがないので、気軽に相談に行くことができます。
 

　行政書士や弁護士であっても、相続・遺言を専門にしていないどころか、業務として行っていない方もいます。

　そのような士業は、許認可や会社設立手続き等を主な業務にしており、普段から相続業務は断っているか知り合いの士業を紹介しているのです。

　このような相談員が担当された場合、適切なアドバイスをもらうのは難しいので、時間の無駄になることが多いです。

　なぜこのようなことが起きるかというと、市の無料相談会に参加される士業の方は基本的にボランティアのため、その人材を適材適所で選任するほどの余裕がないのが通常なのです。
 

　以上のように、市の無料相談会は、公の機関の実施する無料の相談会だからこその長所・短所が存在します。

　継続的なアドバイスや手続代行依頼を希望する可能性があるのなら、専門家の事務所で１時間以上かけて相談することをオススメします。
 

　そうですね、それが人情だと思います。

　時間・手間と自身の望むことをよく考えて相談していきましょう。
 

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