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夫婦が一緒に共同で遺言書を書き、
「遺言者①である私は全ての財産を長男に相続させる(※遺言者①の自筆)
遺言者②(遺言者①の妻)である私は全ての財産を長女に相続させる(※遺言者②の自筆)」旨を1枚の遺言書に記した場合、遺言書として有効なのでしょうか。
本稿では、夫婦の共同遺言につき、その有効性について解説いたします。
動画解説もぜひご覧ください。
目次
・相続関係図付きの具体例
・遺言者の財産状況
2、共同遺言の手続き上の問題点
・民法上「共同遺言の禁止」という規定がある
・夫婦のうち片方が形式的無効の場合
・1つの封筒の中に別々に書いた2つの遺言書が入っていた場合
・1人の財産のみ記載されている場合
3、遺言書の内容についての提案
・共同遺言が禁止される理由と本遺言書の有効性
・1人に1つの遺言書という原則を守る
4、まとめ
・遺言書を夫婦で一緒に書くことの問題点について
・当事務所のような相続専門家への相談がオススメです
上の相続関係図のような事例を想定してみましょう。
相続関係図とは、相続関係説明図ともいい、本来亡くなった人(被相続人)とその相続人の関係が一覧になってまとまっている表のことをいいます。
また、遺言者の遺言作成時点では、相続人は推定相続人となります。遺言者①山田太々郎、遺言者②山田花々子は、夫婦で遺言書を作成しています。
遺言書①の推定相続人は、妻、長男、長女の3名です。
遺言者②の推定相続人は、夫、長男、長女の3名となります。
遺言者①及び遺言者②の遺言書作成時点の財産状況は上の図の通りです。
すなわち、遺言者①の山田太々郎は不動産は自宅としての居宅及び土地のみを有しており、評価額は家屋500万円、土地1000万円の固定資産税評価額です。
そして、遺言者②の山田花々子は、金融資産のみ有しており、B銀行の預貯金400万円があります。
このような状況で遺言者①及び遺言者②としては、父の財産は長男、母の財産は長女というつもりでした。
実は遺言者①及び遺言者②は、このようにすれば夫婦が各々異なる子供に相続させるので平等性がある、と考えていたのです。
このような民法の条文があるため、同じ用紙に2名以上の者が一緒に記した遺言書は無効となります。
夫婦のうちの片方が形式的無効の場合
民法975条で共同遺言を禁止しているのはなぜでしょうか。
そもそも、遺言は、他人の意思に左右されることなく行わなければならないし、後で遺言者の遺言意思に変化が生じれば、先の遺言については自由に撤回することができるべきものです。
この点、2人以上の者が互いに関連のあるものとして遺言をするならば、各自の遺言の自由や遺言撤回の自由を制約することになってしまいます。
すなわち、共同遺言が禁止されるのは、異なる2名以上の者が一緒に遺言書を作成することで、遺言者の自由意思を阻害してしまい、本来の想いと異なる遺言がされてしまうこと防止するためといえます。
では、例えば遺言者②の山田花々子の「氏名」を遺言者①の山田太々郎が記入した場合はどうでしょうか。
すなわち、遺言者②の遺言としては形式的無効なので、遺言者①の遺言としては有効としていいようにも一見思えます。
しかし、裁判例では、このように片方が形式的無効であっても、他方の遺言として有効にはならないと判断されました。
たとえ片方が形式的無効であっても、遺言者の自由意思を阻害していることに変わりはないためと考えられます。
1つの封筒の中に別々に書いた2つの遺言書が入っていた場合
例えば、遺言者①と遺言者②が各々の意思を各々の証書に記して、同一の封筒にて保管していた場合はどうでしょうか。
この場合は、お互いの意思がもう片方の意思を意識してあらわしているとはいえないでしょう。
そのため、このような場合は有効といえるでしょう。
例えば、財産の記載としては、遺言者①の「遺言者である私は全ての財産を長男に相続させる」という記載のみで、末尾に遺言者①及び遺言者②の「氏名」「印」がある場合はどうでしょうか。
この場合は、1人の財産の表示のみだけですので、もう片方の意思を意識しているとはいえず、有効とされる可能性も高いと考えられます。
上述のように、民法で共同遺言が禁止されるのは、異なる2名以上の者が一緒に遺言書を作成することで、遺言者の自由意思を阻害してしまい、本来の想いと異なる遺言がされてしまうこと防止するためといえます。
そのため、夫婦での遺言書ならばどのようなものでも100%無効というわけではありません。
とはいえ、同一証書に2人の財産分与意思の記載がある場合は、ほぼ間違いなく無効となります。
本件の、「遺言者①である私は全ての財産を長男に相続させる(※遺言者①の自筆)
遺言者②(遺言者①の妻)である私は全ての財産を長女に相続させる(※遺言者②の自筆)」旨を1枚の遺言書に記した場合は、遺言書は無効といえるでしょう。
夫婦で一緒に遺言を考えるケースは多いです。
そこで、同時に書きたい、意思を示したいと考えがちです。
ですが、遺言書作成には、1人につき1つというルールがありますので、夫婦別々に作成するようにしましょう。
以上の通り、夫婦で同一証書に遺言することは、そもそも民法上のルールにより禁止されています。
相続開始後に無効になることを知っても時すでに遅しですので、注意しましょう。
このように、遺言書には様々な制約やルールがあります。
せっかく遺言書を作成したのに、相続開始後に手続きで使用できなければ意味がありません。
そのような事態を避けるために、遺言書の作成について、経験豊富な専門家の意見を聞きながら進めた方が確実といえるでしょう。
事務所のような相続専門家にまず相談することをオススメいたします。
執筆者 森俊介
行政書士森俊介事務所 代表行政書士
『相談者に寄り添う相続とすること』がモットー。触れた相談事例は2000件以上。相続を取り扱う司法書士・税理士・弁護士と連携しワンストップサービスを築く。各地でセミナー相談会を実施中。Youtube・Twitterでも相続・遺言情報を発信している。
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2017年 行政書士取得
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