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このような場合でも、2人の親が遺言書を書いておけば遺産分割協議という相続の話し合いをしなくても相続を進めることができます。
本稿では、揉めそうな相続対策のための遺言についての注意点について解説いたします。
動画解説もぜひご覧ください。
目次
・親亡き後子供同士で揉めそう
・遺言者・推定相続人の気持ち
2、親が遺言書を作成すれば遺産分割協議は不要となる
・事前に子供たちに意思を示す必要はあるか
・話もできない状態だと要注意
3、話し合いもできない状態の遺言書作成の注意点
・遺言執行者に専門家を指定するという手段
・付言事項で親としてのメッセージを残す
・全ての財産の帰属先を決める段
・遺留分を配慮した内容にする
4、まとめ
・揉めそうな相続対策のための遺言について
・当事務所のような相続専門家への相談がオススメです
上の図の例を見てみましょう。
父親が亡くなって母親、その子供2人がいるケースです。
次に母親が亡くなった場合の相続については、「2次相続」と呼ばれます。
最初に一方の親が死亡した場合の相続を「1次相続」といいます。
そして、残されたもう片方の親が死亡した場合の相続を「2次相続」というのです。
1次相続については残された親と子が相続しますが、2次相続については子供同士で相続するという点が大きな違いとなります。
2次相続においては、1次相続よりも相続トラブルが起こりやすい傾向があります。
というのも、1次相続においては、残された片方の親が主導して相続の話し合いをすることが多いため、相続人同士、特に子供同士の争いが表面化しにくいのです。
ところが、2次相続にいては、親はおらず、子供同士で相続の話し合いをすることになります。
子供間を取り持つことのできる親が亡くなっているので、心情による対立が表面化しやすいのです。
上の図の例でも、親亡き後の2次相続では、子供同士が揉めそうです。
遺言者である母としては、「私亡くなり親がいなくなった後に、仲の悪い長男と長女が遺産について話し合えるか心配だ」と考えています。
推定相続人である長男は、「妹に自分の親の遺産を一切やりたくない」と思っており、長女は「兄とは話もしたくない」と思っています。
よって、親亡き後の2次相続において、長男・長女は相続で揉める可能性が高いでしょう。
いざ相続が開始すると、相続人各々が何を思おうと、何を言おうと遺産分割協議を終えるえるには、相続人全員の署名・実印押印が必要となります。
もっとも、親が遺言書を作成すると、このような遺産分割協議が不要となり、相続手続きがスムーズに進む可能性が高くなります。
そして、遺言者は事前に推定相続人に伝えることなく遺言書を作成はできますが、できれば事前に子供に自身の意思及び遺言書の存在を示す方がいいでしょう。
親としては、今後の子供同士の関係性を良好にしたいでしょうし、遺言書の存在を生前に知らせた方が相続開始後の子供たちの動揺を小さくなるためです。
話もできない状態だと要注意
親が遺言書を作成したとしても、遺言書の内容によっては相続人全員の協力が必要になります。
ところが、上の例のように、残された相続人が「話もしたくない」と話もできない状態であることがあります。
そうすると、ちょっとした協力が必要な場面でも、手続きが進まなくなることがあります。
このような事態を避けるため、遺言書作成の際にいくつか注意すべきポイントがありますので、以下に述べます。
加えて、相続開始後の手続きのことを考え、できれば遺言書の専門家に相談しながら作成することをオススメいたします。
遺言書の内容を実現する人を遺言執行者といいます。
遺言執行者は遺言書で指定してもしなくてもいいのですが、揉めそうな相続では指定しておくことを勧めます。
遺言執行者の指定があれば、相続人の直接的な協力なしに手続きを進めることができるケースが多いためです。
そして、遺言執行者は第三者である専門家を指定しましょう。
遺言執行者を相続人やその親族に指定すると、公平性を疑われることがあるためです。
遺言書の内容によっては、遺産の分け方が不平等とか、特定の相続人に不満を抱かせることがあります。
その際、親として遺言書にメッセージを残すことを勧めます。
付言事項というのですが、「遺産が分けにくいこと、今後の生活をよく考えてこのような内容にした」とか、「争いを望まない」とか、「遺留分侵害額請求をしないことを望む」等を書くことで、相続人の理解を得る可能性が高まります。
揉めそうな相続人間では、遺産の話し合いが難しいでしょうから、全ての財産について遺言書に帰属先を書いておきましょう。
例えば、遺言書作成時点の不動産のみを記載した遺言書だと、その他の預貯金・株・現金等は話し合いによる遺産分割協議で帰属先を決める必要が生じてしまいます。
このような事態を避けるためにも、全ての財産について遺言書に帰属先を書いておきましょう。
遺留分とは、相続人最低限確保すべき相続の割合のことです。
上の例ですと、長男・長女の法定相続分は2分の1ずつで、遺留分は各4分の1となります。
この割合を侵害する遺言書の内容ですと、遺産の取得分が少ない相続人から遺留分侵害額請求をなされる可能性があります。
そのため、あらかじめ遺留分を配慮した内容にしておくというのも手です。
以上の通り、揉めそうな2次相続の対策として、遺言書が非常に有効です。
ただ、相続人同士で話し合いすらできないほど関係性が悪い場合には、様々な注意点があります。
遺言執行者の指定、付言事項でのメッセージ、全ての遺産の帰属先、遺留分の考慮等です。
このように、揉めそうな2次相続の対策としての遺言書作成においては、注意点が多くあります。
遺留分の考慮等、専門的知見を要する事項も多くあります。
当事務所では、遺言書作成、遺言執行代行ともにサポートすることができます。
当事務所のような相続専門家にまず相談することをオススメいたします。
執筆者 森俊介
行政書士森俊介事務所 代表行政書士
『相談者に寄り添う相続とすること』がモットー。触れた相談事例は2000件以上。相続を取り扱う司法書士・税理士・弁護士と連携しワンストップサービスを築く。各地でセミナー相談会を実施中。Youtube・Twitterでも相続・遺言情報を発信している。
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2017年 行政書士取得
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